変形性膝関節症でお悩みの方へ
変形性膝関節症でお悩みの方へ
【目次】
1.変形性膝関節症とは

【目次】
1.変形性膝関節症とは
2.原因
3.どんな施術をするの?
①関節可動域をひろげるぜ!
②支持性を高めるぜ!

1.変形性膝関節症とは
変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じる疾患です。女性に発生することが多い事も特徴です。
膝関節:①太ももの骨(大腿骨) ②すねの骨(脛骨) ③お皿(膝蓋骨)
膝は、この3つの骨から成り立っています。これらの骨同士が互いに接触すると、大きな摩擦が生じ関節面にストレスを受けてしまいます。骨の表面を覆う軟骨は、この摩擦を防ぐ役割があります。軟骨は、直接骨がぶつかるのを防ぎ、スムーズな関節運動を支えています。
さらに、太ももの骨とすねの骨の間には半月板があり、主にクッションの役割を果たしています。この半月板は、アワビの刺身のような硬さで、コラーゲン繊維からできています。膝を曲げ伸ばしすると半月板が動き、膝にかかる衝撃を緩和します。そのおかげでスムーズに膝を曲げ伸ばしすることができます。
2.原因は?
変形膝関節症の原因は通常一つではありません。以下の原因が複数重なる事で症状が強まります。
①O脚(がに股)やX脚
足の姿勢(アライメント)不良です。O脚ではあれば、膝の内側に体重がかかり、Ⅹ脚では膝の外側に体重がかかります。荷重軸が偏ってしまう為、立っている姿勢や歩く動作により持続的なストレスが生じます。
②関節軟骨の変性
正常な軟骨は厚みがあり、表面に凸凹はなく摩擦が生じにくい状態です。年齢を重ねると軟骨の破壊が生成を上回り軟骨が摩耗してしまいます。つまり薄くなってしまいます。又、軟骨の表面にも凹凸ができ潤滑性が下がります。正常な関節の摩擦係数は、氷の上をスケートで滑るより少ないと言われていますが、骨との接触面がザラザラすることでストレスが増します。この軟骨の摩耗は、40歳で60%、60歳で80%、80歳ではほとんどの方で発生します。但し、軟骨の変性が生じたとしても全ての方に痛みが生じるわけではありません。
③動作
歩き方や立ち上がり動作、立ち姿勢など日常生活で繰り返し行っている動作が膝へのストレスとなる場合があります。また、長時間の立ち仕事や階段昇降を伴う業務、しゃがみ込みを繰り返す作業など膝関節に負担がかかるお仕事をされている方もいらっしゃいます。そうした動作をお仕事で行う場合、中止する事は難しいと思います。運動学的に無理のない動作を行う事が大切です。
イスからの立ち上がり動作で説明します。
膝を動作の起点として立ち上がる人は膝を痛めやすく、股関節を用いて立ち上がる動作を行えば膝への負担を減らす事ができます。
【良い例】
上半身を前にかがめ、お尻の筋肉を用いて立ち上がります。この時、膝はつま先より前に出ない様、立ち上がります=股関節を用いた立ち上がり
①関節の動きをひろげます。(可動域の確保)
痛みにより関節を動かす機会が減る事で関節の動きが悪くなっています。『膝がまっすぐ伸びない。』『膝が曲がらない』のは正常な可動域が失われた状態です。また、膝関節は上:股関節と下:足関節にはさまれた中間関節です。膝関節の可動域改善は勿論以下の施術で隣接した関節も含め可動域を改善します。
⑴ストレッチ
ストレッチを実施し、可動域を改善します。正しいフォームでのストレッチをお伝えし自宅で毎日実施して頂きます。
⑵可動域訓練
施術者が徒手で抵抗をかけながら反復した関節運動を実施します。
⑶筋膜リリース
筋膜リリースを実施し、筋膜のコンデションを整え、可動域を改善します。
⑷はり治療
大腿部、膝関節周囲にはり施術を実施し、軟部組織(筋肉、靭帯など)の柔軟性を高めます。血管を拡張し筋膜を和らげる効果もあります。
☆⑵~⑷の施術で確保した可動域を維持、向上できるようホームエクササイズとしてストレッチを実施して頂きます。
②下肢の筋力強化により支持性を高めます。
殿部、大腿部、下腿部、足指の筋力強化を行います。上半身が屈みやすい方には体幹も筋力強化を実施します。一般的な筋力運動の流れをご説明します。
臥位→座位→立位での流れで実施します。
⑴臥位(ベッドに寝た姿勢)
まずは、正しい荷重軸で立位姿勢を保てるよう負担の少ない臥位でのリハビリを実施します。
・クアドセッティング
大腿四頭筋内側頭にアプローチします。
・ショルダーブリッジ
大殿筋にアプローチします。
・レッグプレス
術者が徒手で抵抗をかけ実施します。
・アップダウン
側臥位で中殿筋にアプローチします。
⑵座位(椅子に座った姿勢)
・レッグエクステンション
大腿四頭筋内側頭にアプローチします。
・内転筋強化
クッションを大腿部で挟む等尺性トレーニングです。
・シッティングスクワット
座った姿勢からのスクワット運動です。
⑶立位
・カーフレイズ
荷重軸を意識してつま先立ちを行います。
・スクワット
股関節を用いてスクワットを行います。
・片足立ちキープ
バランス訓練です。15秒安定して立てる事も目標とします。
・ワンレッグスクワット
荷重軸を意識し実施します。負担をかけすぎぬよう浅めの角度で実施します。
※評価により体幹筋力が低下し立位姿勢が崩れている場合は、体幹トレーニングも実施します。
膝関節:①太ももの骨(大腿骨) ②すねの骨(脛骨) ③お皿(膝蓋骨)
膝は、この3つの骨から成り立っています。これらの骨同士が互いに接触すると、大きな摩擦が生じ関節面にストレスを受けてしまいます。骨の表面を覆う軟骨は、この摩擦を防ぐ役割があります。軟骨は、直接骨がぶつかるのを防ぎ、スムーズな関節運動を支えています。
さらに、太ももの骨とすねの骨の間には半月板があり、主にクッションの役割を果たしています。この半月板は、アワビの刺身のような硬さで、コラーゲン繊維からできています。膝を曲げ伸ばしすると半月板が動き、膝にかかる衝撃を緩和します。そのおかげでスムーズに膝を曲げ伸ばしすることができます。
2.原因は?
変形膝関節症の原因は通常一つではありません。以下の原因が複数重なる事で症状が強まります。
①O脚(がに股)やX脚
足の姿勢(アライメント)不良です。O脚ではあれば、膝の内側に体重がかかり、Ⅹ脚では膝の外側に体重がかかります。荷重軸が偏ってしまう為、立っている姿勢や歩く動作により持続的なストレスが生じます。
②関節軟骨の変性
正常な軟骨は厚みがあり、表面に凸凹はなく摩擦が生じにくい状態です。年齢を重ねると軟骨の破壊が生成を上回り軟骨が摩耗してしまいます。つまり薄くなってしまいます。又、軟骨の表面にも凹凸ができ潤滑性が下がります。正常な関節の摩擦係数は、氷の上をスケートで滑るより少ないと言われていますが、骨との接触面がザラザラすることでストレスが増します。この軟骨の摩耗は、40歳で60%、60歳で80%、80歳ではほとんどの方で発生します。但し、軟骨の変性が生じたとしても全ての方に痛みが生じるわけではありません。
③動作
歩き方や立ち上がり動作、立ち姿勢など日常生活で繰り返し行っている動作が膝へのストレスとなる場合があります。また、長時間の立ち仕事や階段昇降を伴う業務、しゃがみ込みを繰り返す作業など膝関節に負担がかかるお仕事をされている方もいらっしゃいます。そうした動作をお仕事で行う場合、中止する事は難しいと思います。運動学的に無理のない動作を行う事が大切です。
イスからの立ち上がり動作で説明します。
膝を動作の起点として立ち上がる人は膝を痛めやすく、股関節を用いて立ち上がる動作を行えば膝への負担を減らす事ができます。
【良い例】
上半身を前にかがめ、お尻の筋肉を用いて立ち上がります。この時、膝はつま先より前に出ない様、立ち上がります=股関節を用いた立ち上がり
【悪い例】
上半身をまっすぐで膝をつま先より前に出して立ち上がります。=膝関節を用いた立ち上がり
上半身をまっすぐで膝をつま先より前に出して立ち上がります。=膝関節を用いた立ち上がり
☆立ち上がり動作を行う度に膝に負担がかかります。
④体重
膝は体重負担が大きくかかる関節です。体重が増えれば増える程、膝への負担も増えます。体重に伴った筋力があれば支持性が保たれ、膝関節への負担は減ります。しかし体重に見合った筋力が不足していると膝関節への負担が増します。
確かに体重を落とせば膝への負担は減ります。が、ダイエットはご存じの通り一筋縄ではいかない問題です。
患者様とのカウンセリングを十分に実施し、無理のない計画の元実施する事が大切だと思います。
食事、サプリメントのみでのダイエットは体重減少に伴い、筋肉量も低下する場合があります。筋肉量が減れば食事管理終了後、リバウンドする原因となります。ご注意下さい。
3.どんな施術をするの?
④体重
膝は体重負担が大きくかかる関節です。体重が増えれば増える程、膝への負担も増えます。体重に伴った筋力があれば支持性が保たれ、膝関節への負担は減ります。しかし体重に見合った筋力が不足していると膝関節への負担が増します。
確かに体重を落とせば膝への負担は減ります。が、ダイエットはご存じの通り一筋縄ではいかない問題です。
患者様とのカウンセリングを十分に実施し、無理のない計画の元実施する事が大切だと思います。
食事、サプリメントのみでのダイエットは体重減少に伴い、筋肉量も低下する場合があります。筋肉量が減れば食事管理終了後、リバウンドする原因となります。ご注意下さい。
3.どんな施術をするの?
①関節の動きをひろげます。(可動域の確保)
痛みにより関節を動かす機会が減る事で関節の動きが悪くなっています。『膝がまっすぐ伸びない。』『膝が曲がらない』のは正常な可動域が失われた状態です。また、膝関節は上:股関節と下:足関節にはさまれた中間関節です。膝関節の可動域改善は勿論以下の施術で隣接した関節も含め可動域を改善します。
⑴ストレッチ
ストレッチを実施し、可動域を改善します。正しいフォームでのストレッチをお伝えし自宅で毎日実施して頂きます。
⑵可動域訓練
施術者が徒手で抵抗をかけながら反復した関節運動を実施します。
⑶筋膜リリース
筋膜リリースを実施し、筋膜のコンデションを整え、可動域を改善します。
⑷はり治療
大腿部、膝関節周囲にはり施術を実施し、軟部組織(筋肉、靭帯など)の柔軟性を高めます。血管を拡張し筋膜を和らげる効果もあります。
☆⑵~⑷の施術で確保した可動域を維持、向上できるようホームエクササイズとしてストレッチを実施して頂きます。
②下肢の筋力強化により支持性を高めます。
殿部、大腿部、下腿部、足指の筋力強化を行います。上半身が屈みやすい方には体幹も筋力強化を実施します。一般的な筋力運動の流れをご説明します。
臥位→座位→立位での流れで実施します。
⑴臥位(ベッドに寝た姿勢)
まずは、正しい荷重軸で立位姿勢を保てるよう負担の少ない臥位でのリハビリを実施します。
・クアドセッティング
大腿四頭筋内側頭にアプローチします。
・ショルダーブリッジ
大殿筋にアプローチします。
・レッグプレス
術者が徒手で抵抗をかけ実施します。
・アップダウン
側臥位で中殿筋にアプローチします。
⑵座位(椅子に座った姿勢)
・レッグエクステンション
大腿四頭筋内側頭にアプローチします。
・内転筋強化
クッションを大腿部で挟む等尺性トレーニングです。
・シッティングスクワット
座った姿勢からのスクワット運動です。
⑶立位
・カーフレイズ
荷重軸を意識してつま先立ちを行います。
・スクワット
股関節を用いてスクワットを行います。
・片足立ちキープ
バランス訓練です。15秒安定して立てる事も目標とします。
・ワンレッグスクワット
荷重軸を意識し実施します。負担をかけすぎぬよう浅めの角度で実施します。
(4)歩行訓練
一日あたりの歩数を決めウォーキングして頂きます。
※評価により体幹筋力が低下し立位姿勢が崩れている場合は、体幹トレーニングも実施します。
【最後に】
『旅行に行きたい!』
『テニスをしたい!』
『買い物に行きたい!』
『まわりに迷惑をかけたくない!』
膝痛でお悩みの患者様の目標はお一人お一人異なります。カウンセリングで患者様のご希望をお伺いし、目標に合わせた施術を計画的に実施します。お気軽にご相談下さい。