訪問鍼灸での開業を志す人へ 

訪問鍼灸での開業を志す人へ 

☆今回は鍼灸師向けブログです。ご覧頂きました患者様には大変申し訳ありません。

訪問鍼灸での開業を志す人へ 
①保険施術に限定せず自費施術を導入する。
『訪問鍼灸=歩行困難な患者様を対象とした保険施術』というイメージがあります。確かに保険適応できれば患者様の経済的負担を抑える事ができる為、継続率が高まります。ご自身で医療機関へ通う事ができない患者様には、大変喜ばれる制度です。私も歩行困難な患者様には、主治医から同意書を頂き、保険施術を実施しています。

ただ常に危惧を感じています。2024年には3人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えます。2025年には人口ボリュームの大きい団塊世代が大病を患いやすい75歳を迎えます。医療費、介護費は間違いなく増大します。今後、日本は総人口が大きく減少していくにも関わらず総人口に占める高齢者の割合は著しく上昇します。勤労世代が減少し、支えるべき高齢者が増加します。2025年には、死亡者数が150万人となり出生率の2倍を超える試算です。そして、高齢者人口が最も増える時期は、20年後の2042年と考えられています。ちなみに2042年には、全人口が初めて一億人を下回り、高齢者人口は3900万人に近づきます。全人口の約4割が高齢者という極めて特異な人口動態を持つ時代を迎えます。
【参考】『未来の年表』 河合雅司著 講談社現代新書より

果たして今の医療制度をいつまで維持できるのか? 勿論、これは鍼灸のみの問題ではありません。本年10月に75歳以上20%の方の健康保険負担率が2割に引き上げられました。『負担率上昇と利用制限』この流れは今後20年間違いなく続きます。

いつ鍼灸保険制度が変遷しても良いよう自費診療を導入する事はリスクマネージメントとして大切だと思います。先の人口年表を読むと暗くなる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、鍼灸師として大きなビジネスチャンスがここにあります。今後も公的保険である【医療保険、介護保険】経済的負担の上昇は続くでしょう。医療費が高まる世相では健康寿命への意識は絶対に高まります。余談ですが、患者様お宅で拝見する時代劇専門チャンネルのCMはほぼ100%健康食品、健康グッズです。動ける身体を維持する事、健康への関心は益々高まっています。交通事情に恵まれない地方都市であれば、『いつまでも元気に歩く』をコンセプトとしたパーソナルトレーニングデリバリーはニーズが高いと思います。ライザッ〇シニアのデリバリー版ですね。
今後65歳以上でも働く人が増える社会になります。こういった方々のコンディショニング維持に鍼灸師として貢献できれば、保険制度が変遷してもサヴァイブする事(=生き残る)は十分可能です。

ちなみに競合分析の際、他社鍼灸院や整体院をマーケティングする方が多いと思います。しかし、健康に不安がある人が鍼灸院同士のサービスや料金を比較して選択する場合はそんなに多くないと思います。実際には、整形外科、お薬、トレーニングジム、ヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニング、健康教室、サプリメント・・・など健康に関わるあらゆるサービスの中からキャッチした情報、口コミを判断して決定しています。どうしても我々は他鍼灸院の施術内容、サービスや料金を意識してしまいます。しかし、実際には顧客が鍼灸院同士を比較し、決定している状況はさほど多くないように思います。住まいが離れた知り合いから『鍼が良いよ。』と教えられ、ネットで検索する場合やTV、雑誌、SNS等で鍼灸についての情報をキャッチし、通院可能な鍼灸院を検索する場合が考えられます。家が近い同士であれば特定の治療院を直接紹介します。サプリメントと鍼灸施術、限られた健康予算の中でどちらにしようか迷っている方もいらっしゃると思います。又、ジムに通うか治療院にするか二択で考える方もおられると思います。競合については、視野を広く考える事がとても大切です。特にサプリメントの宣伝広告は、非常に参考になります。デザイン(色使いやレイアウト)、フォント、キャッチコピー、ストーリー、権威づけ、利用者コメント、アクセス、当然ですがメチャクチャ上手にできています。莫大な予算をかけて、優秀な専門家が反応率とにらめっこしながら作った広告は素晴らしいものが多いです。サプリメント各社のCMでの畳みかけ方も見事で唸ってしまいます。僕は、サプリメントのCMを見るたびに『絶対負けね~!』と勝手にライバル視しています。

話が反れました。スミマセン。
そもそも鍼灸は老若男女あらゆる世代に対応できる施術法です。訪問施術だからといって保険診療のみに集中するのは勿体ない気がします。コロナ禍において様々な分野のデリバリーサービスが生まれたように、鍼灸のデリバリーにも新たな方法論は必ずあります。訪問鍼灸というと歩行困難な患者様を対象とした事業であるという固定概念が強い為、もしかしたら、誰も気づいていない潜在的なニーズを見落としているかもしれません。ちなみに訪問専門鍼灸には、若い世代に対してもアプローチできるストロングポイントが二つあります。以前のブログで説明したように、料金と時間的拘束ですね。特に、店舗での施術料金は年々値上がりしています。まず第一に人件費が上昇していますし、光熱費も随分上がっていますので料金に転嫁するのは仕方がないと思います。(※2012年850円だった東京都最低賃金は2022年では1072円に上がっています。時給200円以上上昇しています。)個人の訪問事業では、鍼灸材料やガソリン代は上がっているものの、店舗運営と比べてコストは格段と少ないですから料金を抑えて提供する事が可能です。当然、行き帰りの通院時間はありませんのでお忙しい方には、お喜び頂けます。自宅に他人を入れたくないという方は一定数いらっしゃいますが、このところ20代患者様のご利用が増えています。料金、施術内容如何では、若い世代の患者様から選ばれる可能性はあると思います。


僕自身は現状、①自費施術と②保険施術は両輪だと考えています。
自費施術を実施している患者様がご病気や転倒等で歩行困難になった場合は迷わず保険施術を提案します。又、自費施術を実施しているあらゆる世代の患者様には、保険施術を実施している旨を伝えています。先に述べたように3人に1人が高齢者という時代ですのでご家族やお知り合いに保険施術を必要とする患者様がいらっしゃる場合があります。自費施術を受けられる患者様は、サービス内容や効果、人柄を理解していますので保険鍼灸への口コミが得られやすくなります。一人運営であれば、施術数も限られますので特に営業、宣伝せずとも運営可能だと思います。

経営面を考慮しても自費施術を導入する事にはメリットがあります。
ズバリ、自費施術は日銭が入ります。対し保険施術は施術から入金まで2~3カ月を要します。キャッシュフローが大分楽になります。予期せぬ返戻で入金が遅れる事もありません。自費売上で事業経費+生活費を賄い、保険収入は貯蓄や娯楽費として確保する運営が健全です。

情熱を持って事業継続する為には、鍼灸師としての初心や志を大切に運営する事も大切です。スポーツトレーナーを志し鍼灸師資格を取得した方であれば、先に述べたようにアスレチックトレーニングと訪問鍼灸をマッチングすれば面白いでしょうし、美容鍼灸を勉強された方であれば、デリバリー美容鍼灸と保険適応での訪問鍼灸を同時展開しても大変喜ばれると思います。 僕は疎いのですが、シニア世代の美容分野でも貢献できる鍼灸の手法はあるはずです。2つを結ぶストーリー(論理)が確立できれば事業として間違いなく成立できると思います。

自費施術を導入し、サービス力を向上させ競争力を養う事はとても大切だと思います。

②継続が力なり。新規集客<継続
開業時、新規集客は大切です。0から1を生み出す段階では新規集客を避けて通れません。新規集客については勉強会やオンラインセミナー等の情報が溢れています。新規集客は手法、テクニック、方法論を勉強すれば、短期間で成果を出す事が可能です。しかし、新規集客以上に大切な事は、リピートです。特に法人に比べ体力が乏しい個人事業では、患者様が継続利用して下さるかが最大の生命線です。開業直後は新規集客を集中的に実施し、できる限り早い段階で新規集客からリピート中心の運営を目指すべきです。
では、継続には何が必要なのでしょうか?

結論を言えば、費用対サービスです。患者様は、料金とサービスを比較し料金が安いと思えば継続しますし、高いと思えば中止します。患者様が施術目的に到達していない段階で離反してしまうのは、施術者のサービスが料金に見合った質を提供できていないからです。施術目的を達成し施術を卒業された患者様は、卒業後、何か健康上の問題が生じれば、声を掛けて下さいます。相談しやすい状況でクロージングする事は、鍼灸師にとって大切なスキルだと思います。

あえて費用対効果と書かなかったのは、サービスが施術効果に限定されるのを避ける為です。
サービスとは、カウンセリング、施術内容、施術効果、クロージング、接遇、会話、表情など施術開始から終了まで全てのミッションを含みます。サービスとは、患者様が感じる全ての事柄です。ですので、施術者は無意識でも実際には、患者様から評価されている場合が多々あります。身だしなみや言葉遣いを重要視する患者様もいらっしゃるでしょうし、店舗であれば、立地、通院時間といった施術者側には如何ともしがたい点で評価される場合もあります。もしかしたら、『治療は良いけど駐車場が入れにくいから嫌だ』という患者様もいらっしゃるかもしれません。ストレスを感じない駐車場を提供する事もサービスの1つといえます。施術中止に至った場合は、原因を総合的に分析することは大切です。

これは僕の印象ですが、我々鍼灸師は施術(施術技術)を重要視するあまり、カウンセリングやクロージングといった本来ビジネスでは最も大切と考えられるミッションを疎かにする傾向があります。継続率が目標に到達しない方は、まずカウンセリングとクロージングを徹底分析してみてはいかがでしょうか?

【カウンセリングチェックリスト】
①挨拶
・良い第一印象を与えているか? 
・患者様の緊張を和ませる掴みがあるか?
・数多い院から選択頂いた感謝を伝えているか?
②検査
・患者様が納得できる客観的な身体評価(可動域、筋力、疼痛部位、ペインスケールなど)が出来ているか?
・順序がスムーズであるか?
③カウンセリング
・検査で得た身体情報を基に効果的な頻度、施術期間をわかりやすく説明出来ているか?
・料金を明確に伝達できているか?
・患者様の施術目的を確認出来ているか?
④クロージング
・良い印象を残し施術を終えているか? 
・施術効果を維持する為の生活指導や注意点を伝達できているか?
・副作用、副反応は説明できているか?
・次回の予約(複数回)を確実に頂いているか?

たとえ施術が素晴らしくてもカウンセリング&クロージングが不十分であれば、施術の価値が患者様に伝わらず継続利用につながらない場合があります。継続率に課題を感じる方は、是非参考にしてみて下さい。カウンセリング&クロージングに完成はないと思います。お互いブラッシュアップし、より良い施術が提供できるよう頑張りましょう!!

ご意見ご感想があればお気軽にお願い致します。


【雑文】
亀(=SLOW RIDER)の如く毎日わずかずつでも良い施術ができるよう鍼灸師として成長する所存です。50歳も近づいておりますので体力は下降気味ですが、キース・リチャーズ御大のこんな言葉を支えに頑張ります!!

『ロックンロールは上等なワインみたいなものさ。年を食えば食う程、味が良くなっていくんだ。』




同じカテゴリー(鍼灸師の方へ)の記事

 
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

店舗情報

店名

訪問鍼灸よしまつ

住所

〒435-0027
静岡県浜松市南区下飯田町

TEL

090-4790-4268

営業時間

8:00~19:00

定休日

日曜日

削除
訪問鍼灸での開業を志す人へ 
    コメント(0)