鍼灸師・借金0開業のしくみ④ エリア戦略&ランニングコスト編
『鍼灸師・借金0開業のしくみ④ エリア戦略&ランニングコスト編 往鍼バカ一代』
目次
1.ランニングコスト
2.エリア戦略
3.構想というよりは・・・
1.ランニングコスト
前回、開業コストについて書きました。
今回は月次ランニングコストを公開します。
1月(冬)、4月(春)、8月(夏)と実際にかかった経費でございます。令和元年実績です。
立ち上げが前年9月ですので、1月がちょうど開業5か月目にあたります。
1月(施術数 173)
・ガソリン代 11,571円
・鍼用品 9,277円
・車保険 6,120円
・図書費 3,602円
・パンク修理 3,240円
・施術保険 1,300円
・雑費 1,732円
計 36,842円
4月(施術数 193)
・鍼用品 12,896円
・図書費 8,760円
・ガソリン代 7,000円
・車保険 6,120円
・エンジンオイル4,158円
・挨拶品 2,179円
・文具 1,620円
・施術保険 1,300円
・雑費 2,288円
計 46,321円
8月(施術数 201)
・鍼用品 14,526円
・ガソリン代 11,943円
・車保険 6,120円
・図書費 5,761円
・施術保険 1,300円
・雑費 1,466円
計 41,116円
こんな感じです。
年間通して大体4万円台です。
上記以外の大物としては、
ホームページ更新費 20,000円(9月)
青色申告会年会費 18,500円(6月)
+チラシ印刷、新聞折込費が状況に応じてという感じです。僕の場合は、開業3か月間ガンガン撒いて以降は撒かずに済みました。
物販としてサポーターや温灸を仕入れる時は鍼灸用品費が若干高くなります。
ガソリンは夏、冬はどうしても高いです。
また、図書費は医学関連以外のビジネス書も含まれます。大体ブックオフオンラインで大量に購入しています。半ば嗜好品ですな。
※活字とお酒とレゲエが嗜好品です。
2.エリア戦略
さてさて本日のメインテーマはエリア戦略です。
運営目標として月次200施術を掲げました。
25営業日だとすると一日8件の往鍼です。
目標達成の為には、エリアを絞った宣伝戦略が必要だと考えました。
移動時間を短縮し、効率化を図る為です。
宣伝施策の中心としてチラシを選びました。
ホームページでは浜松市単位(区単位)では集患できても、地区単位または町単位という狭域エリアでの集患は難しいと判断しました。
※今後、ホームページでの認知活動を視野に入れておりますが、それは後述します。
小学校学区ごとにエリアを定めました。
学区内の移動であれば、確実に10分以内で移動できます。
宣伝計画としてまず1万枚のチラシを拠点より3㎞以内の小学校区ごとに割り振りました。
開業後の4か月間で4つの学区に2500枚ずつ撒きました。往診依頼を頂いたのは、15名の患者様でした。反応率0.15%です。
僕の場合、起業時のメインターゲットは車の運転ができなくなり医療機関への通院に不便を感じている方でした。
ですので年齢別人口統計をチェックし高齢者が多い地域を確認しました。
浜松市の場合、区ごとの世代別人口だけでなく、更に町ごとの世代別人口統計を確認する事ができます。エリアごとの世帯数、高齢者数を確認し、世帯あたりの高齢者数を折込み広告を実施する前の参考としました。

※左が世帯数、右は高齢者人口 、1.5は割合です。
高齢者が多い地域に撒いたチラシの反応が悪ければ、チラシ自体を修正する必要があります。
高齢者層が少ないエリアに撒いたのであれば、チラシ自体の出来に関わらず反応は低いでしょう。
チラシの反応には、①高齢者人口 ②近隣整形外科の有無 ③公共交通機関路線(浜松ではバス路線)が関係している事が分かりました。
高齢者が多く、近くに整形外科がなく、バス路線から外れたエリアが最も良い反応でした。
チラシを撒くのであればエリアマップに、競合店舗と公共交通機関を書き込んでみると良いと思います。すると狙い目エリアが浮かび上がってきます。根拠に基づいて宣伝施策を実施します。
立ち上げ当初は、認知度が低い為、チラシによる集患に頼らざるを得ません。
しかし、患者様をある程度獲得できた段階で、次は口コミ紹介による集患に移行するよう意識していました。
ちなみに最も口コミが生まれやすいのは、初診直後の患者様です。往鍼の利便性、コストパフォーマンス、クオリティーのインパクトが伝わりやすいからだと思います。
幸い昨年5月から一年以上チラシ配布はしておりません。口コミを頂ける仕組みづくりを試行錯誤しながら組み立てています。
ちなみに現在、検討している施策は、ご家族無料体験制度です。
回数券をご購入して下さった患者様のご家族を対象に無料体験チケットを進呈するというものです。サービス内容や実施期間及び時間など詳細を詰めています。
3.構想というよりは・・・
『どうしてここまで書くの?』
『往鍼』の認知度を上げたいからです。
社会的に認知されるにはまず、同業のみなさんから認識される事が先だと思います。
何回も書いていますが、『往鍼事業』には3つの競争優位があります。
①価格優位性
コストが少ない分、店舗サービスより大胆なプライスダウンが可能です。
②商圏のコントロール
エリア管理を行えばカヴァー可能エリアが店舗サービスより圧倒的に広くなります。
③利便性
通院する時間、待ち時間、帰宅に要する時間がありません。車の運転ができない方には大変便利なサービスです。忙しいビジネスパーソンにとって着替えをせず職場で施術を受けられる事は大きな魅力です。
鍼灸を普及する新しい形になり得ると思います。
但し、如何せん認知度が低すぎます。
これまで、僕は個人で『往鍼事業』を運営をしてきました。二年を経て、鍼灸師の個人事業ビジネスモデルとして成り立つ事を実感しました。リピート率は店舗時代と比して顕著に高くなっています。日々、患者様の切実なニーズを感じています。残念ながら僕一人では、希望される患者様すべてに『往鍼』を提供する事ができません。
今後、『往鍼事業』をより強固なものとする為にチームでの運営ができないものか構想しています。チームといっても会社組織での運営ではありません。以前ブログで『往鍼』は法人による運営には向かないという僕の考えをお話しました。
『個人事業主の集合体として運営を行う事はできないか?』
仮に、浜松市で3~5名の力ある鍼灸師が往鍼を志せば、市内主要部をフォローできます。
一応、条件としては店舗責任者経験者としたいと思います。北、南、東、西、中央など大まかに担当エリアを決めます。
『おうち鍼灸ネット浜松』と仮名を付けておきましょう。このネット名義としてホームページを共同で作製します。
エリアごとの問い合わせ先として各自の携帯電話を掲載すれば各エリアにお住まいの患者様が直接担当者に連絡できます。
浜松主要部をフォローできればホームページでの認知活動が可能です。
連帯でホームページを作れば十分な費用を注入できます。
併設したブログを担当制としキーワード含有率やテキストを充実させる事で『浜松・鍼灸』といったワードで上位検索可能な強いホームページが作製可能です。しかも現在、ホームページ作成には補助金等が利用できます。細かい話ですが月次のサーバー使用料は完全に割り勘で良いと思います。認知宣伝活動がこれまで個人で集患していた方法と比して圧倒的に強くなります。
価格破壊と利便性の二本柱をPRします。
無論乗り越えなければ、いけない問題は山積みですが、絵としては面白いと思います。
まだ構想というより夢想の段階ですが、鍼灸という素晴らしい効果を有する施術法を多くの方へ伝える新しいビジネスモデルかなと思います。

※こんな話が酌み交わしながらできる日がきますように。
目次
1.ランニングコスト
2.エリア戦略
3.構想というよりは・・・
前回、開業コストについて書きました。
今回は月次ランニングコストを公開します。
1月(冬)、4月(春)、8月(夏)と実際にかかった経費でございます。令和元年実績です。
立ち上げが前年9月ですので、1月がちょうど開業5か月目にあたります。
1月(施術数 173)
・ガソリン代 11,571円
・鍼用品 9,277円
・車保険 6,120円
・図書費 3,602円
・パンク修理 3,240円
・施術保険 1,300円
・雑費 1,732円
計 36,842円
4月(施術数 193)
・鍼用品 12,896円
・図書費 8,760円
・ガソリン代 7,000円
・車保険 6,120円
・エンジンオイル4,158円
・挨拶品 2,179円
・文具 1,620円
・施術保険 1,300円
・雑費 2,288円
計 46,321円
8月(施術数 201)
・鍼用品 14,526円
・ガソリン代 11,943円
・車保険 6,120円
・図書費 5,761円
・施術保険 1,300円
・雑費 1,466円
計 41,116円
こんな感じです。
年間通して大体4万円台です。
上記以外の大物としては、
ホームページ更新費 20,000円(9月)
青色申告会年会費 18,500円(6月)
+チラシ印刷、新聞折込費が状況に応じてという感じです。僕の場合は、開業3か月間ガンガン撒いて以降は撒かずに済みました。
物販としてサポーターや温灸を仕入れる時は鍼灸用品費が若干高くなります。
ガソリンは夏、冬はどうしても高いです。
また、図書費は医学関連以外のビジネス書も含まれます。大体ブックオフオンラインで大量に購入しています。半ば嗜好品ですな。

通常の店舗サービスとは比較にならない程、経費は少ないと思います。
経費が少なく、日銭が入りますので小回りの利くビジネスモデルだといえます。
いわば治療界の街中華とでもいえましょうか?
さてさて本日のメインテーマはエリア戦略です。
運営目標として月次200施術を掲げました。
25営業日だとすると一日8件の往鍼です。
目標達成の為には、エリアを絞った宣伝戦略が必要だと考えました。
移動時間を短縮し、効率化を図る為です。
宣伝施策の中心としてチラシを選びました。
ホームページでは浜松市単位(区単位)では集患できても、地区単位または町単位という狭域エリアでの集患は難しいと判断しました。
※今後、ホームページでの認知活動を視野に入れておりますが、それは後述します。
小学校学区ごとにエリアを定めました。
学区内の移動であれば、確実に10分以内で移動できます。
宣伝計画としてまず1万枚のチラシを拠点より3㎞以内の小学校区ごとに割り振りました。
開業後の4か月間で4つの学区に2500枚ずつ撒きました。往診依頼を頂いたのは、15名の患者様でした。反応率0.15%です。
僕の場合、起業時のメインターゲットは車の運転ができなくなり医療機関への通院に不便を感じている方でした。
ですので年齢別人口統計をチェックし高齢者が多い地域を確認しました。
浜松市の場合、区ごとの世代別人口だけでなく、更に町ごとの世代別人口統計を確認する事ができます。エリアごとの世帯数、高齢者数を確認し、世帯あたりの高齢者数を折込み広告を実施する前の参考としました。
年齢別人口統計は自治体のホームページで閲覧できると思います。

勿論、資金に余裕があれば、とりあえずざっくりチラシを巻いてリアクションを見るのが早いと思います。
広告費をできるだけ抑えたかったのと根拠が欲しかったので人口統計を参考にして宣伝戦略を組み立てました。高齢者が多い地域に撒いたチラシの反応が悪ければ、チラシ自体を修正する必要があります。
高齢者層が少ないエリアに撒いたのであれば、チラシ自体の出来に関わらず反応は低いでしょう。
チラシの反応には、①高齢者人口 ②近隣整形外科の有無 ③公共交通機関路線(浜松ではバス路線)が関係している事が分かりました。
高齢者が多く、近くに整形外科がなく、バス路線から外れたエリアが最も良い反応でした。
チラシを撒くのであればエリアマップに、競合店舗と公共交通機関を書き込んでみると良いと思います。すると狙い目エリアが浮かび上がってきます。根拠に基づいて宣伝施策を実施します。
立ち上げ当初は、認知度が低い為、チラシによる集患に頼らざるを得ません。
しかし、患者様をある程度獲得できた段階で、次は口コミ紹介による集患に移行するよう意識していました。
ちなみに最も口コミが生まれやすいのは、初診直後の患者様です。往鍼の利便性、コストパフォーマンス、クオリティーのインパクトが伝わりやすいからだと思います。
幸い昨年5月から一年以上チラシ配布はしておりません。口コミを頂ける仕組みづくりを試行錯誤しながら組み立てています。
ちなみに現在、検討している施策は、ご家族無料体験制度です。
回数券をご購入して下さった患者様のご家族を対象に無料体験チケットを進呈するというものです。サービス内容や実施期間及び時間など詳細を詰めています。
3.構想というよりは・・・
『どうしてここまで書くの?』
ブログを読んで下さった方からのご質問です。
『往鍼』の認知度を上げたいからです。
社会的に認知されるにはまず、同業のみなさんから認識される事が先だと思います。
何回も書いていますが、『往鍼事業』には3つの競争優位があります。
①価格優位性
コストが少ない分、店舗サービスより大胆なプライスダウンが可能です。
②商圏のコントロール
エリア管理を行えばカヴァー可能エリアが店舗サービスより圧倒的に広くなります。
③利便性
通院する時間、待ち時間、帰宅に要する時間がありません。車の運転ができない方には大変便利なサービスです。忙しいビジネスパーソンにとって着替えをせず職場で施術を受けられる事は大きな魅力です。
この3つは強力な競争優位だと思います。
※勿論、自宅に施術者を招く事に抵抗を持たれる方は少なからずいらっしゃいますが。
鍼灸を普及する新しい形になり得ると思います。
但し、如何せん認知度が低すぎます。
これまで、僕は個人で『往鍼事業』を運営をしてきました。二年を経て、鍼灸師の個人事業ビジネスモデルとして成り立つ事を実感しました。リピート率は店舗時代と比して顕著に高くなっています。日々、患者様の切実なニーズを感じています。残念ながら僕一人では、希望される患者様すべてに『往鍼』を提供する事ができません。
今後、『往鍼事業』をより強固なものとする為にチームでの運営ができないものか構想しています。チームといっても会社組織での運営ではありません。以前ブログで『往鍼』は法人による運営には向かないという僕の考えをお話しました。
『個人事業主の集合体として運営を行う事はできないか?』
仮に、浜松市で3~5名の力ある鍼灸師が往鍼を志せば、市内主要部をフォローできます。
一応、条件としては店舗責任者経験者としたいと思います。北、南、東、西、中央など大まかに担当エリアを決めます。
『おうち鍼灸ネット浜松』と仮名を付けておきましょう。このネット名義としてホームページを共同で作製します。
エリアごとの問い合わせ先として各自の携帯電話を掲載すれば各エリアにお住まいの患者様が直接担当者に連絡できます。
浜松主要部をフォローできればホームページでの認知活動が可能です。
連帯でホームページを作れば十分な費用を注入できます。
併設したブログを担当制としキーワード含有率やテキストを充実させる事で『浜松・鍼灸』といったワードで上位検索可能な強いホームページが作製可能です。しかも現在、ホームページ作成には補助金等が利用できます。細かい話ですが月次のサーバー使用料は完全に割り勘で良いと思います。認知宣伝活動がこれまで個人で集患していた方法と比して圧倒的に強くなります。
浜松全体をフォローできれば、プレスリリースを実施して積極的に新聞などメディアにアプローチする事もできます。
車の運転ができない方へ計画的な鍼灸施術、運動療法をお届けする事業は十分社会的価値があると思います。
公的保険を使用せず、継続しやすい費用で介護予防、健康寿命を上げる『往鍼事業』は時代のニーズと合致します。
価格破壊と利便性の二本柱をPRします。
身近まで歩み寄り、確実に鍼灸をお届けする。お喜びになる患者様の笑顔がはっきりイメージできます。
認知さえ頂ければ、更に多くの選択を頂ける手ごたえがあります。
患者様にとっても、施術者にとっても中々おもろい事業計画ではないでしょうか?
週一回程度WEB上でミーティングを行い問題点、施策をシェアします。
浜松であれば技術交流会も開催できます。好意的に会場を提供して下さる治療院があります。無論乗り越えなければ、いけない問題は山積みですが、絵としては面白いと思います。
まだ構想というより夢想の段階ですが、鍼灸という素晴らしい効果を有する施術法を多くの方へ伝える新しいビジネスモデルかなと思います。
本心を書けば。
腹割って『往鍼』のしくみをお話すれば、『往鍼』を志す変わり者の鍼灸師がこのエリアから名乗り出てくれるかもしれないという淡い期待もございます。というわけで、年甲斐もなくコッパズカシイ夢のお話をしました。
とてもコッパズカシイので今回はここでお開きとしたいと思います。
ご質問、ご意見がございましたら、お気軽にコメントORメッセージお願い致します!
次回は『鍼灸師・借金0開業のしくみ 失敗談』をお届けする予定です。

※こんな話が酌み交わしながらできる日がきますように。
See Ya!
この記事へのコメント
感動しました!
ずっと応援しています!
情報開示と言うのは大切なのですね!
これからどうぞ宜しくお願いします!
ずっと応援しています!
情報開示と言うのは大切なのですね!
これからどうぞ宜しくお願いします!
Posted by 新谷恭子 at 2020年07月10日 09:19